押出し成形について
押出し成形とは加熱溶融されたプラスチック材料を押出し機にて金型へ押し出され『ところてん』のように押し出されていき断面形状がどこも同じ形状をした長いものを形成します。
金型の押出し口(ダイ)からプラスチック樹脂が押し出されていく成形法なので押出し成形と呼ばれています。
同一形状の製品を連続して成形することができ、量産に優れた成形方法です。
複雑な形状の押出し成形を異形押出し成形と呼びます。
パイプやチューブ、レール状のもの等が押出し成形により作られます。
押出し成形の工程
押出し成形の工程は、基本的には押出し・サイジング・冷却・引取り・切断の流れになります。
成形機のホッパーより樹脂材料が投入されシリンダー部にいて樹脂原料が加熱溶融されます。加熱溶融された材料が金型内に押し出され出てきた製品をサイジングにて形状を整えます。
それから冷却槽に入り製品を冷却固化し形状を形成します。
冷却後、引取機にて成形品を引取り、切断機にて決められた長さにカットされます。
樹脂材楼の溶融時のシリンダー温度、押出し圧力・速度、冷却温度・速度、引取り速度など成形品に合った最適な条件にて成形し安定して生産する必要があります。
押出成形の基本概要
- 原理:
材料(主に樹脂)を加熱して溶融し、ダイ(口金)と呼ばれる型から押し出して成形します。 - 特徴:
同じ断面形状のものを連続して成形できるのが最大の特徴です。
■ 主な用途・製品例
分類 | 具体例 |
---|---|
建材 | サッシ、雨どい、モールなど |
工業用部材 | ホース、パイプ、チューブ |
日用品 | ストロー、フィルム、ケーブル皮膜など |
■ 押出成形の流れ(プラスチックの場合)
- 材料投入: ペレット状の樹脂をホッパーから供給
- 加熱・溶融: スクリューで混練しながら加熱し、溶かす
- 押し出し: 溶融状態の樹脂をダイに通して所定の形状に
- 冷却: 水や空気で冷却して形状を固定
- 引き取り・カット: 引き取り装置で連続的に引っ張り、必要に応じてカット
■ メリットとデメリット
メリット | デメリット |
---|---|
・連続生産が可能で生産効率が高い | ・複雑な立体形状には不向き |
・材料ロスが少ない | ・精度が金型に依存しやすい |
・金型費用が比較的安価(射出成形比) | ・途中で断面形状を変えることが困難 |
よく使われる材料
- ポリ塩化ビニル(PVC)
- ポリエチレン(PE)
- ポリプロピレン(PP)
- エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)
他の成形法との違い
成形法 | 特徴 |
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押出成形 | 同断面形状の連続成形に特化 |
射出成形 | 複雑な形状・寸法精度が求められる製品に適す |
真空成形 | 薄い板材を吸引して成形 |